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見聞録、市政報告などのブログです。

富士通ゼネラルハートウェア

「障がい者一人ひとりが、社会人として生きがいを持って働き、社会に貢献する喜びを創造する」 今日は、この言葉を経営理念に掲げる株式会社富士通ゼネラルハートウェアが実施している「障害者雇用の取組」を視察させていただきました。

これまでの経過を伺ったところ、親会社の富士通ゼネラルさんでは、ラインで製造や組立てに従事する障害者を1970年から採用してきました。当時は知的障害が主で、多いときは100名ほど雇用していたということです。その後、グローバル化に伴い生産工場が海外にシフトしたため障害者雇用は縮小しましたが、2004年1月に特例子会社を設立し、障害者雇用を継続してきたということです。

現在の従業員数は約50名で、うち約8割が障がい者ということです。事業概要は、清掃や庭園管理のほか、販促物の梱包・発送、試作開発エアコン解体、通勤用自転車パンク修理など多岐にわたりますが、障害特性に応じた指示や工夫を行なうことで問題なく従事されているということです。労働時間も休憩を含め約8時間と健常者と変わらない条件で勤務され、給与も、新任者は最低賃金から始まりますが、福利厚生も充実しており、経験を積むことで賃金アップも当然あるということです。

数年前、私は会派の有志で大分県別府市にある「太陽の家」を視察しました。本市が「パラリンピックでムーブメントを起こす」という施策を掲げたため、障がい者スポーツを日本に初めて導入し普及させた中村博士の取組を学ぶ目的でした。しかし、太陽の家では、スポーツだけでなく障がい者の就労にも力を入れて取組んでおり、中村博士の想いに真っ先に賛同したオムロン株式会社をはじめ様々な企業が、障がい者雇用を目的とした工場や事務所を構えていました。その中に富士通株式会社の関連企業があり、その際も工場内を見学させていただきました。

例えば、車椅子の方には、車椅子のまま作業ができるように作業台を低くしたり、手に障害があり握力が弱い方のためには、軽く動かせる大きめの資材の作業を任せたり、知的障害の方のためには、作業内容を図や大きな字の平仮名で示すなど、障害特性に応じた工夫を随所にこらしていたことが印象的でした。

今日拝見した現場でも随所にそうした工夫が見られ、障害者雇用に歴史のある会社だということがよく分かりました。 私たちは度々、障がい者保護者団体の方々と意見交換を行ないますが、みなさん共通している心配事は「親亡き後の生活」です。富士通ゼネラルさんのように障害特性に応じた工夫で就労者を増やせる企業がさらに増え、保護者のみなさんが安心できる社会を築くために行政として「何ができるのか」「何が必要なのか」を引続き考えていきたいと感じました。