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見聞録、市政報告などのブログです。

早野聖地公園をもっと身近に

連載 63
 川崎市の「総合都市計画」には、重点施策のひとつとして「公共交通の強化」が掲げられています。これは地域の特性やニーズに応じながら「将来にわたる市民生活を支える」というものです。
 市民生活の足となる市バスには、多くの需要が見込めない地域の交通手段を確保する「行政路線」と、市の施設のうち立地条件などを踏まえ、その施設へアクセスする「公共施設接続路線」と位置付けられているものがあります。市バスは公営企業として福祉的側面を担っていることから、毎年多額の助成を受け、これら路線を運行しています。
 これまで既存路線の廃止も含めた見直しや、市北部地域での行政路線新設を訴えてきましたが、市側は難色を示してきました。また数年前より、地域の方が早野と早野聖地公園のアクセス向上を要望しましたが、市は利用者が多く見込めないこと、溝口から延伸している柿生線が13.8㎞と市内最長であることを理由に「ゼロ回答」を続けてきました。

路線バス網の再編へ

 今回は、早野聖地公園内の道路拡幅について設計が終わり、間もなく入札・着工するタイミングだったこともあり、私は聖地公園を「公共施設接続路線」に位置付けること、周辺道路の改良についても予算化することを目指して質問しました。
 その結果、まず第一歩として早野が市街化調整区域で農業振興地域でもあるため、宅地開発が制限されていることから人口増加が見込めない「特別な事情を抱えた地域」であることを交通局や交通政策室に改めて認識していただきました。
 これらを踏まえ、「今後は行政主導で路線バスネットワークを再編する」こと、「特に早野は地域性を勘案しながら、ソフト・ハード両面から課題整理を進め、利便性向上の検討をする」という答弁を得ました。
 麻生区には早野以外にも、高齢化や地形などの理由でコミュニティ交通を切望する交通不便地域は多くあります。路線バスネットワークの再編事業が進むなかで取りこぼしされることが無いよう、しっかり声を上げてまいります。
 今回、藤子不二雄ミュージアム線での利用を目的に導入された小型バス2台が現在使われていないことも判明。これを活用し、交通利便性の改善が求められる地域でコミュニティ交通の社会実験などを早期実施することを強く要望しました。