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高齢化を見据えた施策「いきいき長寿プラン」

連載 60

昨年、人口150万人を超えた川崎市は政令指定都市で最も平均年齢が若い一方、高齢者は30万人を超え、要介護・要支援の方は5万2千人、その内4万2千人が認知症と推計されています。高齢者の独居や高齢夫婦の増加など、取り巻く環境は厳しくなってきました。
 また、健康寿命(健康上問題ない期間)と平均寿命の差を見ると、本市は男性10.7年、女性13.6年との調査結果があり、日常生活に制限がある期間が長いことを市としても課題認識しています。こうしたことから本市では平成12年から、高齢化を見据えた施策「いきいき長寿プラン」を実施してきました。
 この計画は介護保険制度とそれ以外のサービスを組み合わせることで、高齢者の福祉水準を向上させ、支え合いの福祉社会づくりを具体化することを目指しています。
 平成30~ 32 年を実施期間とする「第7期いきいき長寿プラン」の取り組みは ①いきがい・介護予防施策等の推進 ②地域のネットワークづくりの強化 ③(介護保険等)利用者本位のサービスの提供 ④医療介護連携・認知症高齢者施策等の推進 ⑤高齢者の多様な居住環境の実現、とあり、私は高齢者がいつまでも元気に過ごしていただく取り組みとして、①と②に注目しています。
 例えば①「いきがい・介護予防~」の施策としては、パソコンや自己啓発等の講座実施、仲間づくりの機会創出、シルバー人材センター等による就労支援など、社会参加を促進する取り組みが挙げられています。これら施策が正しく高齢者に行き渡れば、永く元気に過ごされる方が増え「元気で長寿のまち」が実現できるでしょう。ところが、例えば現状のシルバー人材センターでは、就労希望の登録者数は増えていますが肝心の業務依頼が伸び悩み、半数以上の方が未就労の状態です。パソコンなどの講座も情報発信や受講エリア、定員数等で課題が残ります。
 更に高齢者の足となる交通手段も、市北部はバス網が充足していません。コミュニティ交通の要望は多くありますが、市の本気度が低いため実施困難な状況が続いています。
 とはいえ奉仕活動や趣味を通じて健康づくりに取り組む方の支援、そうした活動への参加を促し、活性化させる事が「地域ネットワーク」だけでなく「介護予防」や「いきがいづくり」に繋がります。今後も皆さんと意見交換しながら元気で長寿のまちづくりを考えていきます。