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「ふるさと納税」と川崎市

連載56 

 最近話題の「ふるさと納税」をしたことがある方はいらっしゃいますか? 
 和牛やお酒など豪華な返戻品と、確定申告の負担をなくす「ワンストップ特例制度」の導入により、ますます便利になったことから本市においても利用者が増加しています。
 そもそも「ふるさと納税」とは、「生まれ育った故郷の大切さの再認識」や「役立つ」という意義から平成20年度の税制改正によって導入されました。その後、平成27年度改正において特例控除額の上限が所得割の10%から20%まで引き上げられ、さらにワンストップ特例制度が導入されたことから、川崎市では、それまでは2億円程度だった利用額が、28年度は13億円となり、29年度は24億円と急激な勢いで増えています。

不交付団体だからこその〝悩み〟

 仮に10万円をふるさと納税した場合、これまでは確定申告をすれば所得税から2万円、住民税から7万8千円が控除されていました。
ところが、ワンストップ特例制度導入により寄付者が居住する自治体、すなわち川崎市の個人住民税から所得税分の2万円も控除されるようになり、住民税控除額はこれまでの7万8千円から9万8千円となります。
 本来であれば減った分の税収は地方交付税で国から一定程度補てんされますが、本市は東京都と東京23区同様、地方交付税の不交付団体となっているため、ふるさと納税で減額となった税収がそのまま本市の歳入減に繋がってしまいます。政令指定都市20市は、例えば医療費助成や待機児童対策、生活保護率など福祉問題の他に都市的インフラ整備等共通課題が多いことから連携し、「指定都市」としての要望を毎年国に挙げていますが、不交付団体は本市のみとなっており、この「ふるさと納税」の特に「ワンストップ特例制度」による影響の深刻さは他都市と共有されず、あまり話題とならないことが本市ならではの〝悩み〟となっています。
 川崎市は、人口増加が続いているため住民税、固定資産税とも年々歳入は増加していますが、その分、高齢者・子育て・教育・インフラなど、必要な市民サービスも増加し続けています。
本市では「等々力陸上競技場整備」「公園緑地の整備」「音楽・映像のまち推進」「動物愛護センターの動物への支援」など寄付の使いみちとして23項目のメニューを設け、ふるさと納税を募集しています。ぜひ皆さんが住んでいる川崎市の発展のため、他都市にお住まいの知り合いの方にも伝えて頂けると有難く思います。今回の市政報告が皆さんにとって、ふるさと納税について考えて頂くきっかけになることを期待します。